あらすじ
扉の向こうは、異世界だった。
いや、別にモンスターや魔法が飛び交うようなファンタジーじゃない。そういうものじゃなく、絵面の話だ。
部屋全体に張られたブルーシートと、リビングを埋め尽くす粘土。散らばる工具、木材、絵の具皿。そして、中央に聳え立つ脚立と、その上で仁王立ちする溶接面を被った下着姿の女子。
もう一度言っておくが、女子だ。それも、所謂女子高生ってヤツだ。
しかし、この女子高生としては非常に一般価値の低い残念な先輩は、俺にとって金の卵を産むガチョウである。
先輩は自己プロデュースもメンタルケアも苦手だ。下手くそだ。ならば、俺がプロデュースせずに誰がする?
こんな面白い素材を他の誰でもない、俺が一番に見つけたのだ。
親でもなく、教師でもなく、単なる後輩である俺が。
これは運命だ。