あらすじ
「鈴原さん、よかったら今日の放課後、三階の空き教室に来てくれないかな」
井垣くんは真剣な眼差しでそう告げた。
どんな思いで彼が真実を待っていたか、火を見るよりも明らかだ。
「え、それってもしかして」
真実も察したのか、頬を赤らめながら胸の前で軽く両手を組んだ。
私は二人の青春の邪魔にならぬよう一歩下がった。
「あ、ごめん。真実さんのほうじゃなくて」
彼のひどく真っ直ぐな瞳がこちらを向いた。
「え、私?」
今の私たちはきっと同じ感情を抱いているはずだ。もしかしたら表情も同じかもしれない。
「でも私、ニセモノですよ?」
感情学習AI搭載型ヒューマノイド『ニセモノ』。
鈴原真実の分身として作られたロボットが青春に参加できるわけがない。