あらすじ

十字路の真ん中に変な人がいた。  ひとりの女性が四方に伸びる道路のどれにも進まず、ただ同じ場所でぐるぐると回っている。 「実はコンタクト落としちゃいまして」  彼女の顔が私のほうを向く。  しかし目が合っているわけではない。どこが私の目なのか、はっきり見えていないのだろう。 「あー……家まで送りましょうか?」 「え、いいんですか」  家の場所を尋ねると、彼女は言葉を詰まらせた。  なにか言いよどんでいる態度を不思議に思っていると、おずおずと彼女は口を開く。 「あの、行きたい場所があるんです」  焦点の合わない目にゆるぎない光が宿る。 「わたし、約束を破らなきゃいけないんです」

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エブリスタ
エブリスタ2025/01/03
  • 現在の作品ワンデーコンタクトフレンズ