あらすじ
自身が不老不死だと知った占い師のシエラは、今度こそはと命を断とうとしていた。
しかし、そこに現れたのは少し間の抜けた錬金術師のアズウ。
アズウはシエラの生い立ちを聞いた後、「どうせいらない命なら、僕に頂戴」と爆弾発言を投下する。結果シエラはアズウのあまりのおっちょこちょいぶりに、おちおち死んでもいられないと、アズウに拾われ身の回りの世話を始める。
こうして共に過ごすうちに打ち解け合い、周りからからかい半分の祝福を受けながら過ごしていたある日、アズウたちの元に、具合の悪くなった人々が薬を調合してくれとやって来る。医者でも薬師でもないと言っても、アズウの調合した薬はよく効くからと頼み込まれて、調合したアズウ。その薬が見事に効いたからと食事会にすら招かれた帰りのことだった。
家の前に見知らぬ男が立っていた。
その男は、隣町の医師でケルンと名乗り、村を襲った病と同じ病が流行っている薬を分けて欲しいと訴えた。
人の良いアズウはその言葉を信じ、シエラは言い知れぬ不安を抱いた。
事実、その予感は的中した。アズウによって患者を奪われたと逆恨みしたケルンによって、アズウは濡れ衣を着せられ、村から逃げ出す羽目になる。
何も悪いことを指定なにも関わらず逃げなければならないことに怒りを禁じえないシエラ。
だが、本来錬金術師とはいかがわしい人間であり、いつ手のひらを返されてもおかしくない職業だと心得ていたアズウは、そんなシエラを宥めながらも、自分のせいで命を奪われた存在が居るということの事態の重さに打ちのめされ、死にたくなるほどの絶望を抱えていた。
そこに現れたケルンは、シエラを人質にして、アズウに村に戻るよう告げる。
ケルンにとってアズウは邪魔でしかなく、自分のプライドを守るためにも、シエラを手に入れるためにも、消えて欲しい存在なのだと告げられた。
自分のことはまだしも、何故シエラを手に入れたいのかと問えば、ケルンは知っていた。シエラが不老不死であるということを。書物を見て知っていたと。初めは半信半疑だったがと。突如シエラを傷つけ、傷が塞がる様を見て確信する。シエラが居れば『賢者の石』が作れると喚くケルンに怒りを爆発させ、シエラを連れて逃げるアズウ。
その途中、自分が分不相応なことをしたせいで村人たちは死に、シエラが狙われたと責任を感じたアズウが、この時初めて、シエラに対して心無いことを口にしたと詫びる。
それを聞いたシエラは、それこそ無責任だとばかりにアズウに告げた。
「冷たくなったあなたの傍で、私は何度でも死ぬまで自分を殺すわ」
酷い脅し文句に、お互い様だと言い放つシエラ。
お陰で生きる希望を取り戻すも、再びケルンが現れアズウは銃で胸を撃ち抜かれ、シエラを奪われてしまう。
あなたは、自分の命を捧げるほど共にありたいと望んだ者に出会ったことはありますか?
これは心の絆で結ばれた二人の物語。引き離される二人の行く末に待つものは――