あらすじ
東京・経堂。農大に通う19歳の芽衣は、人と関わるのが少し苦手で、静かな時間を好んで生きている。
失恋をきっかけに、バイト先で出会った年上の社員・湊との距離が、言葉にしないまま少しずつ近づいていく。
湊には恋人がいて、芽衣もまた、気持ちを簡単に言葉にできない。
それでも、ふたりの間には“沈黙”や“間”を通して交わされるものがあった。
商店街の喧騒、日常の手ざわり、ノートに記された点——
ささやかな日々の中で、芽衣は気づかないうちに、自分自身の感情と向き合い始める。
繋がることも、伝えることも、すぐにはできないけれど。
それでも一歩を踏み出そうとする、そんな誰かの背中を描いた、静かな物語。