あらすじ
引っ越しのため書棚を整理していると、しっかり綴じた緑色の冊子が出てきたのでした。中身は、「自由律百句 ひゃっくり」とある。
「ひゃっくり」はかつて山頭火にかぶれていた自分の句集。
以前、友人と自分用に、手書き手作り袋とじのものを作ったことがあったけれど、こんなしっかり綴じた活字版がなぜあるのかはわからない。
はて、と家内に聞くと。
「ほら。前にさ、市でやってた製本教室」
「ああ。行ってたね、そういえば」
「本にする材料がないからって借りたんだよ、ひゃっくり」
「あ。ああ、思い出した」
そういえば、かつての手書き手作りバージョンは、まだ結婚する前の家内も作るのを手伝ってくれた。彼女はこれの存在を知っていたのでした。
そんなわけで、書棚整理の途中に本を読み始めてしまう引っ越しあるある。ああ、こんなこと思ってたんだな、とうん十年前を振り返る。
エブリスタに出してみたら、という心の隅でのささやき。
いやいや、こんなもの誰が読むんだと言う、心の中の別の声。
ちょっと待て。碌な小説も発表してないのに、今さら恥も外聞もないよな、出しちゃえ出しちゃえ、と言うまた別の心の声。
もう、なるようになれです。
1ページずつ更新する予定です。
お暇があるときにお寄りください。