あらすじ

戦後間もないころ、金も地位も失った松本景司は、旅の果てにたどり着いた小さな倉庫で、物々交換による無人販売を始める。「ご自由にどうぞ」の一言と共に並べた野菜が、いつしか人々の善意を呼び、参加者は少しずつ増えていった。代金を払わず持ち去る人、地元商店からの嫌がらせにも景司は笑って対処し、「腹を空かせた子のためなら、それでええ」と静かに語る。やがて彼は無料の宿「善根宿」を開く。景司の行動に心打たれた町の人々が清掃や差し入れなどを始め、灯は人から人へと渡っていく。そして、景司が逝ったあとも、その「善根宿」は残され、慈悲と分かち合いの場として息づいている。名もなき男が遺した小さな善意は、静かに町に根を張り続ける。

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エブリスタ
エブリスタ2025/08/03
  • 現在の作品無人販売と善根宿