あらすじ
時間がズレ始めたことに気づいた高校生の僕は、その現象を「時間観測日記」に記録していた。クラスメイトの美咲だけがその違和感を共有しており、ある日彼女に誘われて、時間の「始発駅」へ向かうことになる。そこは現実と記憶、感情が混在する不思議な空間で、2人は「ユウウツ行き」と「マヨイ行き」の切符を持って感情の各駅に停まる電車の旅へ出発する。コドモノコロ駅、チュウガクセイ駅、セイシュンキ駅など、記憶や成長の通過点を巡りながら、2人は過去の自分たちと向き合い、互いへの想いを少しずつ確かめていく。
美咲は転校を控え、憂鬱に向き合おうとしていた。そして僕は、彼女に想いを伝える決意を固める。途中、「最終駅」まで行けば「すべての時間」や「もしもの未来」を見られるという誘惑も現れるが、2人は現実の時間を選ぶことにする。「今という時間」を大切にするためだった。旅を終えた僕たちは、元の世界へ戻り、少し強くなった心で別れに向き合う。そして別れの日、美咲を見送りながら、再会を信じてそれぞれの未来へと歩み出す。
それから3年後、僕は美咲と同じ県の大学に進学する。時間のズレはほとんどなくなっていた。久しぶりに訪れた公園で、再び出会った美咲と、今度は「ミライ行き」の切符を手に、新たな時間をともに歩き始めるのだった。