あらすじ
アフリカ・ケニアで生まれ育った大学生・冬馬は、電力のない土地に光を届けた父の背中を追い、エネルギー業界を志す青年。しかし、同性愛が罪とされる社会で、自身がゲイであることを隠し続ける日々は、彼の心を少しずつ蝕んでいた。そんな中、親しい友人が性的指向を理由に命を奪われたことで、冬馬の心に深い傷が刻まれる。
父の日本出張に同行する機会を得た冬馬は、東京で思いがけない出会いを果たす。酒に酔いつぶれ道に迷っていた冬馬を助けてくれたのは、エネルギー業界の第一線で働く33歳の商社マン・雄吾。知的で優しく、同性である彼に対し、冬馬は徐々に心を開いていく。雄吾もまた、冬馬の真っ直ぐな目と夢を語る情熱に心を動かされていく。
だが、まだ恋を知らない冬馬は、自身の性指向と向き合うことに戸惑い、雄吾に惹かれる感情すら否定しようとする。彼を守るため、雄吾は想いを押し殺し冬馬を突き放すが、父の地図と雄吾の言葉が、冬馬の心に静かに灯をともす。
――光を届けたい。恋する自分を受け入れたい。
冬馬は自らの想いと夢に正面から向き合う決意をし、新たな一歩を踏み出す。
社会の現実、文化の違い、心の揺らぎ――
すべてを乗り越えた先に見えたのは、「自分らしく生きる」ことの尊さだった。
光を求めた王子様が、初めて知る本当の恋の物語。
※表紙イラストは、ミカスケ様(フリーイラスト)です。
※本作とのクロスオーバー作品「そこに光あれ」については、noteご参照ください。
https://note.com/hata_nao/n/n7dca0df6517d