あらすじ
王太子との婚約を一方的に破棄され、偽りの聖女にその座を奪われた伯爵令嬢セラフィナ。「地味で何の役にも立たない」と蔑まれ、彼女が追放された先は、呪いで草木も育たない極寒の辺境の地だった。
その地を治めるのは、「氷の騎士」と畏れられる辺境伯、ゼオン・フォン・アイスラー。彼は呪いによって感情を失い、触れたものの熱を奪う体質に苦しんでいた。
絶望的な状況の中、セラフィナは忘れられていた「植物魔女」としての力に目覚める。彼女が育てた薬草は呪いを和らげ、不毛の大地に緑をもたらし、伝説の聖獣「月光狐」をも懐かせる。
婚約破棄の傷を抱えながらも、ひたむきに生きるセラフィナ(愛称:セラ)。そんな彼女の温かさと、彼女だけが生み出せる奇跡に、ゼオンの凍てついた心は少しずつ溶かされていく。
一方、王都ではセラフィナを追放した元婚約者たちが、辺境の地の奇跡の噂を耳にする。これは、すべてを奪われた令嬢が、もふもふと薬草に囲まれながら、本当の愛と幸せをその手で育んでいく物語。