あらすじ
毎日、棒を振り続けた。
血を吐いても。倒れても。痛みが消えるまで、何千回でも。
スキルが欲しかった。強さが欲しかった。
それだけの理由で、俺は何かが壊れる音を聞きながら、笑っていた。
目が覚めれば、そこは“ゲームの世界”。
俺が何百時間も遊び倒したRPGの村に、モブキャラとして転生していた。
名前はノア。通称「がんばれくん」。
物語が始まるたびに、勇者を見送るだけの最弱村人だ。
才能はない。スキルもない。体力も、筋力もゼロ。
ただ――俺はこの世界の全てを知っている。
だったら、やることは一つだ。
筋肉が千切れようが、意識が飛ぼうが、振れ。走れ。戦え。
死にたくない。それだけだ。
この世界で生き延びるために、俺は“モブ”をやめる。