あらすじ
裕福な侯爵家の次男カルロスは、誘蛾灯のように女性を惹きつける容姿を持っていた。本人もそれを活用して後腐れなくふらふらと女性の間を渡り歩いている。
ある日、そんなカルロスの前に、月の騎士として有名な子爵が現れ、唐突に告げた。
「はじめまして。カルロス・ドゥオール殿。ついてはこの私、レオン・アルハイドと結婚してくれないか」
「は?」
聞けば、子爵には早急に婿を迎えなければならない事情があるのだとか。そこに提示された条件は、実家から離れたかったカルロスには都合がよく、果たして二人の婚約が成立した。挙式は当分先である。
「それで、なんでおれなんだ?あんたなら、もっとまともな奴を選び放題だろう」
「私はメンクイという奴らしくてな。君はたいそう私好みな顔だ」
「……あ、そう」
お互い、やすやすとは打ち明けられない秘密をたくし込みながら、短く濃密な婚約期間が始まった。
※基本的に恋愛と結婚は別という貴族社会で、建前的にはタブーだけど、その家に所属する責任さえ果たせていたら愛人は黙認されている。
相変わらず見切り発車。基本視点はカルロス。