あらすじ
織田信長は裏切られ、炎の中に散った―――
……それは、我々が知っている歴史だった。
だが、もしそれが“記された側の歴史”ではなく、
“記すことを許された者だけが綴った歴史”だったとしたら?
古文書、和綴じ、墨跡。
京都の旧家の土蔵から発見された一冊の記録が、
現代の歴史学を根底から揺るがす。
書かれていたのは、常識ではありえない記述の数々。
「信長はあの夜、ある一族に出会っていた」
「裏切りではなく、“力”が炎を導いた」
「この国の歴史は、見えざる手によって“記されていた”」
著者の名は―――久條凪沙(くじょう なぎさ)
肩書きにはこうあった。
『御筆殿 記録者』
御筆殿(おふでどの)。
日本建国以前より、歴史の裏側を記し、
歴史そのものを“選定”してきたとされる“裏の一族”。
本作は、彼らが“記すことを許した”唯一の記録。
これは、真実か。
それとも――真実だったかもしれない歴史か。
“記録は、選ばれる”
歴史の闇に葬られた、もうひとつの本能寺の変が、いま紐解かれる。