あらすじ
大正五年、東京。
繊維会社の社長の長男である河野光志朗(かわの こうしろう)は、父親の事業や家を継ぐことに乗り気になれず、日々現実逃避の小説執筆に耽っていた。
そんな中、父親が別荘に愛妾を囲っていることが家族に知れ渡り、一家の間に亀裂が走る。
愛妾に出て行ってもらうよう別荘へ向かう光志朗だったが、実はその妾は男であり、しかも光志朗と同い年の十九歳。
美しい見た目と逞しさを併せ持つ、茜一(せんいち)と名乗る彼に急速に惹かれてしまった光志朗は、彼の言葉をきっかけにますます小説の執筆にのめり込んでいくのだった。
夢を追うため、そして自分と茜一の幸せを探すため、光志朗はやがて、とある決意をする。