あらすじ
二〇二五年、小笠原諸島の華丘島で発生した『惨劇』。
この事件では、多くの人命が一人の少女、雨小衣しずくにより奪われた。
主人公、遠苑涼花は惨劇に巻き込まれて、親友である白守乃衣を亡くした。彼女を護れなかったと言う現実に打ち拉がれて、ただ自責の念を抱き続けてきた涼花、彼女は過去に戻って乃衣を救うと言う一点の悲願を想い続けて、華丘島で研究に明け暮れ歳月を費やしてきた。
華丘島に源花と呼ばれる三種類の特殊な植物が存在し、その植物から放出される花粉は花力と呼ばれる。不思議な力を有し、これを利用した超常現象的な技術、花術が開発された。涼花は花力を応用し、記憶と精神を過去へ転送する跳躍装置の発明に到達する。
過去へと記憶跳躍する運命の試験日、悲運にも計画を大幅に狂わせる出来事が発生する。内通者により装置の情報、試験内容が漏洩した。試験中に何者かの襲撃を受けて、襲撃者は開発データを要求、それに逆らい犠牲者も生まれる。涼花達は窮地に立たされた。
状況は悪化の一途を辿り、苦渋の決断を下す涼花、跳躍の確率は著しく低下するものの装置の暴走を誘発し無差別に転送を実行する方法を選択する。同時に装置の暴走は、広範囲の爆発を引き起こす。つまり装置と研究結果ごと消失させる。
跳躍の失敗は即ち死を意味する。仲間の同意を得て、涼花は意を決して記憶跳躍を実行する――。
親友である乃衣を運命の楔から解き放つ為、涼花は培った花術の知識を武器として、惨劇の阻止、雨小衣しずくの暴挙を食い止める物語の膜が開かれる。