あらすじ
保護犬のブリュッセルグリフォン・マックスと、ルームメイトの優子と美咲が織りなす心温まる物語です。
夜、仕事から帰宅した美咲と、資料作りをしていた優子の前で、マックスが白いクッションを解体するという「芸術活動」を始めます。その姿を見つめながら、優子は2年前の出会いを思い返します。
保護犬施設で出会った当時のマックスは、人影を見ただけで怯える臆病な存在でした。しかし、その愛らしい容姿と寂しげな瞳に心を奪われた優子は、ルームメイトの美咲の後押しもあり、マックスを引き取ることを決意します。
新生活は想像以上に困難の連続でした。トイレトレーニングでは部屋中を踏み荒らし、爪切り時には過去のトラウマからパニックを起こし、分離不安で家具を破壊することも。しかし、優子と美咲は諦めることなく、根気強くマックスと向き合い続けました。
1年前には、深夜に鹿肉を食べてしまい緊急入院するという事件も起こしましたが、そんな困難を乗り越えるたびに、三人の絆は深まっていきました。マッサージの資格を持つ美咲の心のケアと、優子の献身的な愛情によって、マックスは少しずつ安心して暮らせるようになっていったのです。
そして今夜のクッション事件。かつての臆病な保護犬は、今や自信に満ちた「破壊王」として己の作品に満足げな表情を浮かべています。SNSに投稿されたその姿は、他の保護犬たちの新しい家族との出会いのきっかけにもなりました。
共働きのルームメイト二人と保護犬という珍しい家族の形。しかし、苦労を分かち合い、喜びを分かち合う中で、三人は確かなかけがえのない絆を築いていったのです。