あらすじ
――その声が、私の世界を照らしてくれた。
街中で偶然出会ったのは、白杖を手にした女性・結月と、
少し人と距離を置いて生きてきた会社員・蒼太。
見えない世界を生きる彼女と、うまく人と関わることができなかった彼。
交わるはずのなかったふたりが、静かに声と手を重ねていく。
おしゃれな恋や派手な展開ではなく、
会話、暮らし、ほんの小さな出来事が、ふたりの関係を育てていく物語。
すれ違いも不安も、どちらかが“我慢する”のではなく、
“ふたりで越えていく”ことを選ぶ、そんな日々。
これは、目には見えなくても、
心で確かめ合って愛を築いていくふたりの物語。
※本作は、視覚障害を題材のひとつに含みますが、
障害を揶揄・美化・ドラマ化の道具として扱う意図はありません。
「共に生きる」という姿を、誠実に描くことを大切にしています。
登場人物
早川 結月(はやかわ ゆづき):24歳。
事故で視力を失った盲目の女性。
現在は音声ナビ付きのマッサージサロンで受付として働いている。
静かで落ち着いた雰囲気だが、芯の強さと優しいユーモアをあわせ持つ。
村瀬 蒼太(むらせ そうた):25歳。
アニメ・ゲームが好きな、少し内向的な会社員。
IT系企業で事務を担当しているが、人間関係が苦手で休日は家で過ごすことが多い。
会話は得意じゃないが、実は歌がうまく、音に対しては繊細な感覚を持っている。
佐伯(さえき):蒼太の同僚。
健太(けんた):蒼太の友人。
葵(あおい):結月の友人。