あらすじ
「其方が雨水《うすい》の孫か、よう来たな」
開いた口が塞がらない...とは誇張した言い回しだと馬鹿にしたことがあった。でも、実際目の前に真っ白の子供がまるで自分の部屋だと言わんばかりに迎えられたら驚くしかないだろう...
「雨水の孫にしては大きいのぉ、時雨《しぐれ》はもう50手前か、なら妥当か...お主、知っとるか。時雨が赤ん坊の時はずっっっと泣き止まなんで雨水と若葉が必死に機嫌取っての、特に...」
子供が急に近づいたかと思えば、じいちゃんとばあちゃん...そして父親が子供の話を延々と早口で話し始めた。小さい体を必死に動かしてる姿は女が見たら可愛いと言うだろうが、今は25時だ。
都内から県を跨いでの長旅で体力を使い果たしたからか、じいちゃんとばあちゃんの長話に付き合ったからか、頭がぼんやりしてきた。
子供が布団の上から移動した隙を見計らい、横たわる。
ゆっくりと瞬きすると、まだ熱中して話してる真っ白の子供の姿が映った。