あらすじ
最悪だ。
数分前の俺は、どうやら呪術銀行から何もかもを担保に、金を借りちまったらしい。未来も寿命も、これでぱあだ。おまけに、それで得たはずの金もすでに俺の手元にはない。信じられんが、すでに使い果たしている。期限までに返せなきゃ、もちろん担保にしたぶんはさよならだ。未来も寿命も、残らずすべて。
それでも前借りしているぶんだけは、個別に返済しなきゃならねえ。どうなってやがんだ。早い話が、俺はあくどい取り立ての真っ最中ってわけだ。
詰んでいる。
ほとんど自分の人生に詰んじまっている。っていうか、普通にたぶん無理。
不幸中の幸いは、記憶に関しては、どうにか最低保証がついていたことだろうな。おかげで、日常生活を送れないほど、様々な事象について忘れているわけじゃない。助かったと言っていいのか分らんが、どうにか簡単な会話くらいならこなせる。
だが、それだけだ。
当然、職には就いていないし、仮にあったとしても、こんな状態じゃ仕事にならん。どのみちクビだ。返せるあてなんぞ俺にはない。というか、記憶が欠落しているのでガチで知らない。
だからこそ、こうして俺は呪術銀行の回収人から、身を隠しているわけだが、そんな俺の近くに、回収人をくっつけているクソガキが1人、走って来ていた。
最悪だ……。
どうやら、このクソガキも取り立てを食らっているらしい。
頼むから、俺のところにだけは来ないでくれ。
そんな願いもむなしく、クソガキは俺と同じ倉庫の裏手へと迫っていた。