あらすじ

最悪だ。  数分前の俺は、どうやら呪術銀行から何もかもを担保に、金を借りちまったらしい。未来も寿命も、これでぱあだ。おまけに、それで得たはずの金もすでに俺の手元にはない。信じられんが、すでに使い果たしている。期限までに返せなきゃ、もちろん担保にしたぶんはさよならだ。未来も寿命も、残らずすべて。  それでも前借りしているぶんだけは、個別に返済しなきゃならねえ。どうなってやがんだ。早い話が、俺はあくどい取り立ての真っ最中ってわけだ。  詰んでいる。  ほとんど自分の人生に詰んじまっている。っていうか、普通にたぶん無理。  不幸中の幸いは、記憶に関しては、どうにか最低保証がついていたことだろうな。おかげで、日常生活を送れないほど、様々な事象について忘れているわけじゃない。助かったと言っていいのか分らんが、どうにか簡単な会話くらいならこなせる。  だが、それだけだ。  当然、職には就いていないし、仮にあったとしても、こんな状態じゃ仕事にならん。どのみちクビだ。返せるあてなんぞ俺にはない。というか、記憶が欠落しているのでガチで知らない。  だからこそ、こうして俺は呪術銀行の回収人から、身を隠しているわけだが、そんな俺の近くに、回収人をくっつけているクソガキが1人、走って来ていた。  最悪だ……。  どうやら、このクソガキも取り立てを食らっているらしい。  頼むから、俺のところにだけは来ないでくれ。  そんな願いもむなしく、クソガキは俺と同じ倉庫の裏手へと迫っていた。

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カクヨム
カクヨム2025/08/06
  • 現在の作品コーザとニシーシ 逃亡する2人