あらすじ
物語の概要
もし、歴史上最も有名な未解決事件の犯人の脳に、直接アクセスできるとしたら?
2042年、東京。歴史学の道で挫折した青年・来栖玲(くるす れい)は、人生の一発逆転を賭け、禁断の技術「レミニセンス・ダイブ」の被験者となる。
その目的は、150年以上も世界を魅了し続ける謎――「切り裂きジャック」の正体を突き止めること。
玲が潜入したのは、ジャックの有力容疑者とされた男の死後の脳。しかし、彼が足を踏み入れた19世紀末のロンドンは、単なる過去の再現ではなかった。そこは、ノイズにまみれ、意図的に改竄された「汚染された記憶」の世界。
ダイブの最中、玲の前に現れる謎の少女・アリア。
「この記憶は嘘よ。ここから出ていけ」――彼女の警告が意味するものとは?
そして、玲をこの危険な研究に誘った恩師・篠崎教授の、瞳の奥に宿る狂気的な野望とは?
歴史の謎を追うはずだった青年は、やがて自らの精神の存亡をかけた、巨大な陰謀との戦いに巻き込まれていく。
殺人鬼の狂気に触れたとき、あなたはその真実の重みに耐えられるか。
SFと歴史ミステリーが融合した、予測不能のサイコ・サスペンス、開幕。
登場人物紹介
来栖 玲(くるす れい)――落ちこぼれの歴史家
「俺は、歴史家だ。たとえどんな危険があろうと、この謎の核心に辿り着かなければならない」
本作の主人公。優れた観察眼を持ちながらも、学界では評価されず、将来に絶望している青年研究者。失った名声を取り戻すため、危険な「レミニセンス・ダイブ」に挑む。彼の持つ、史料の僅かな違和感も見逃さない執念が、狂った記憶の世界で唯一の武器となる。
篠崎 恭一(しのざき きょういち)――狂気の天才科学者
「ようこそ、来栖君。歴史の新しい目撃者よ。これから君は、誰も見たことのない過去への扉を開く」
日本の歴史学界の権威であり、玲のかつての恩師。物腰柔らかく知的な紳士だが、その仮面の裏では、歴史の「絶対的な真実」を所有するため、非人道的な研究を進めている。彼が玲に差し出した手は、救いの手か、それとも悪魔の誘いか。
アリア――システムの幽霊
「忘れないで。あなたが見ているのは、真実の“残骸”だということを……!」
玲がダイブした精神世界にのみ現れる、謎めいた少女。システムの奥深くに囚われており、玲に危険を警告し、導く存在。彼女は一体何者なのか? なぜ、汚染された記憶の中で、ただ一人真実を知っているのか? 物語の全ての鍵を握る、最もミステリアスな登場人物。