あらすじ
時は十六世紀――東洋世界は、いままさに波乱の渦中にあった。明は倭寇に苦しみ、日本は戦国の烈火に焼かれ、朝鮮半島もまた動乱の予兆を孕む。それは、東アジアの大航海時代の胎動。
その只中に現れた一人の若者――名は、朱月輪(しゅげつりん)。
日本人か、中国人か、あるいは朝鮮人か。その出自は、自身にさえ知らされていない。
若者の存在そのものが、この時代の最大の謎である。
やがて彼は、風のごとく自由で、義に厚く陽気な少年・阿海(あかい)と出会う。
たった半分の饅頭から始まった絆は、“一日の兄弟、一生の兄弟”という誓いへ。
さらに、誰もが息をのむ絶世の美少女・嚴慧(げんけい)も登場。
仙女のごとき容姿の裏に、静謐なる誇りと強さを宿した才媛。
三人の魂が交わるとき、歴史の歯車が音を立てて回り始める――
東洋の海はもはや静かではいられない。
「稀世の才媛」と「海を駆ける風雲児」が織りなす、時代のラプソディー。
芸妓、武侠、商人、海賊たち――
激動の海を翔け、矛盾と美が交錯する大いなる叙事詩が、ここに始まる。
これは“ガチ中華”。架空ではない、歴史の可能性のひとつ。
「美」を極め、「武」を極め、
歴史の奔流の中で、少年少女は己が“思い”を貫けるのか。
本格歴史ドラマとライトノベルのエンターテインメントが融合した、唯一無二の大航海時代のロマン、ここに一海より昇る月!