あらすじ
──この世界は、一度、終わった。
幾度にもわたる核の冬。汚染された大地。焼き尽くされた都市と、崩れ果てた文明。
人類の大半は、終わりの鐘とともに姿を消した。
しかし、それでも“命”は絶えなかった。
放射線に適応した植物が森を成し、変異した生物が新たな生態系を築き始める。
人間もまた、三つの世代に分かれながら、しぶとく命を繋いでいた。
第一世代──核を生き延びた者たち。身体は外界の汚染に耐えられず、ドームや地下施設の中に閉じこもるしかなかった。
第二世代──遺伝的に耐性を得たが、外の世界に出れば強烈な頭痛や拒絶反応に襲われる身体。そして、それぞれ一つだけ“能力”を持つ。
第三世代──核汚染に完全耐性を持ち、特殊能力をひとつ備える。さらに、自らの意志で脳と肉体のリミッターを解除できる存在。
この物語は、第三世代の少女と、その幼馴染の少年の旅路を描く。
村を覆う濃霧の向こうへ──誰も踏み込めなかった“死の世界”へと、足を踏み出す者たちの話である。