あらすじ
クラスの隅で息を潜めるように生きる高校二年生、水瀬葵(みなせ・あおい)。彼の唯一の解放は、正体を隠したイラストレーター『ao』として、青を基調とした繊細な絵をネットに投稿することだけ。
一方、葵のクラスメイトである白金海斗(しろがね・かいと)は、誰もが認める完璧な生徒会長。容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能。まるで世界のすべてに愛されているかのような彼は、葵にとって眩しすぎる、住む世界の違う存在だった。
そんな二人の世界が交わるはずなど、なかったのに。
「文化祭のメインビジュアルは、神出鬼没の天才イラストレーター『ao』氏に依頼したい」
文化祭の実行委員会で、海斗がそう宣言したその瞬間から、葵の平穏な日常は崩れ始める。
正体を明かせば、この静かな日々は終わる。けれど、これは憧れの彼に近づける、たった一度のチャンスかもしれない。
クールな完璧王子だと思っていた彼が、実は『ao』の熱狂的なファンで、二人きりの時だけ不用器で真摯な素顔を見せるなんて、葵はまだ知らない。
すれ違う想いと、少しずつ暴かれていく優しい秘密。これは、臆病な天才絵師と、彼にだけ素顔を見せる完璧王子の、もどかしくて最高にキュンとする青春ラブストーリー。