あらすじ
ある夏の夜。
夕立のように激しく降り始めた雨の中、助けてくれた騎士は私と同じ年頃の少年だった。
赤みの強い赤銅色の髪に、同じく赤銅色の深く澄んだ瞳。思わず「綺麗」と伝えると、その騎士は照れながら私の瞳を「夜空の色」だと言った。
日々の逢瀬で次第に距離は縮まり、重ねた手のひらから恥ずかしさが消えない。
伝えたいことはたくさんあるのにままならず、もどかしく夏が過ぎていく。
しかし、ある日の出来事から、騎士は私と距離を置いてしまった。
「近づきすぎた」と言った騎士の真意。
開戦を目前とした隣国との戦争。
薬指にはめられた指輪だけが、唯一の祈りだった。
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