あらすじ
あるいは、意識を子孫に継承できる変異体であったからだろうか。
あるいは、私が人間の脳みそだけを好んで喰っていたからだろうか。
とにかくいつの日からか、死んだ人間の記憶を見ることが出来るようになった。
悲惨な人生。幸福な人生。平凡な人生。
子孫も残さず死んだ出来損ない。
この種族の記憶はいくら喰っても味がする。
永遠に続くようなこの意識を退屈させないよう、神が私を憐れんだのかもしれない。
空も舞えない知的生物が、蚊のまつ毛ほどの一生を世界の全てであるかのように信じて、嘘のように死んで消えていく。
ただその様が滑稽で仕方ないのだ。