あらすじ
幼い頃に両親を事故で失い、祖父母に育てられた花守咲良。
だがその祖父母も、彼女が中学生になる頃に病でこの世を去る。
孤独な日々を送る咲良に、友人が一匹の子犬を贈ってくれた。
――引き締まった体と、深く澄んだ茶色のアーモンドアイを持つ秋田犬。
咲良は彼に「ツバキ」と名付け、家族として迎え入れる。
その目に宿る静かな光に、咲良は安心し、心を預けるようになっていった。
そして桜が咲く季節のこと。
いつも通りの散歩中、咲良とツバキは突如としてまばゆい光に包まれ――
気がつけば、見知らぬ森に立っていた。
剣と魔法が支配する異世界。
魔物が跋扈する過酷な世界で、戸惑う咲良を守るように、ツバキは静かに前へ出る。
「ボクは犬。言葉も魔法も持たない。
でも、ご主人様を守るためなら、どんな敵にもこの牙を向ける。」
――これは、一匹の秋田犬が、
ただ一人のご主人様を守るため、異世界で奮闘する物語。