あらすじ
大国、フロイデン皇国の北に位置するノーデンシュヴァルトに火急の伝令が届いたのは、リュディガーが14歳の時だった。
『見つかった。小鴉はそちらに向かった。あとは頼む』
その伝言を受けて現れたのは、鴉とは似ても似つかぬ金髪の美しい少年だった。
リュディガーと同い年だというその少年、ヨシュカは、10年以上前に行方不明となっていた皇国の皇子だという。
皇太子一家襲撃事件を皮切りに、常に命の危険を感じていたヨシュカは、祖国を出て、身を隠しながらひっそりと生きていた。だが、唯一の味方であった叔母を失い、立ち向かうことを決意する。
皇位を取り戻したいわけではない。ただ、命を狙う者の正体を暴き、失ったものの対価を払わせる──。
その決意は国政とは無縁の存在であったノーデンシュヴァルトを、ひいてはリュディガーを巻き込んで、騒動へと発展していく。
これは、無口で不愛想な護衛騎士と、行方知れずの皇子との一つの国をめぐる物語。