あらすじ
世の恋人たちはいつ結婚を決めて、幸せになるのだろう?
ふとそう思うことがある。
千葉恵はSNSに流れてくる結婚報告を眺めていた。
結婚は恋人たちの最終地点だ。
ウェディングドレスを着て幸せそうに笑っている友人の写真を見て、恵の心は揺れていた。
彼とは同棲していて、もう7年も付き合っている。
「そろそろ私たちも結婚とか、どう?」
「ん〜、いつかしたいとは思うけど、タイミングとかあるじゃん」
そのタイミングとやらを、もう何年も待っている。
来年30歳になる千葉恵は決断を迫られていた。
世の恋人たちはいつ結婚を決めて、自由を捨てるのだろう?
ふとそう思うことがある。
岸本航平はSNSに流れてくる夫婦の愚痴を眺めていた。
結婚は墓場だ。
懸命に稼いだお金を搾取され、友人と遊ぶ自由さえも失われる。
世の中には数えきれない女性がいるというのに、その中のたった1人としか愛し合うことが許されない制約。
「でも、そもそも結婚ってする必要ある?俺たち別に今のままでも幸せじゃん」
「え〜、そうだけど、やっぱ結婚したいじゃんか。子供も欲しいし」
結婚をしたくないわけじゃない、でも今じゃない。
まだ遊んでいたいし、正直に言うと、リスクなく浮気もしたい。
もちろん、いつかはこの人と結婚したい。
それは偽りのない想いだ。
来年33歳になる岸本航平は決断を遅らせていた。