あらすじ
杠葉七海は、子犬を救ったことがきっかけで冬神・霧生刹那と出会い、突然自分は冬の巫女であり冬神の花嫁になる存在であると告げられる。
七海は、冬の巫女しか持たないと言われている癒しの異能と、血のように赤い髪の毛と翠玉の様な翠緑色の瞳を持って生まれてきたことで両親や妹以外の人間からは不吉なことを呼び寄せる存在として忌み嫌われていた。
唯一自分を愛してくれた両親は火事で亡くしたことで妹の絵梨とは離ればなれに暮らすことに。
引き取られた先の母方の叔母の家に身を寄せるが、そこで七海は酷い仕打ちを受けることになる。
義妹となった瑠璃奈は自分が冬の巫女で冬神の花嫁になる人だと思い込んでおり、異能を使える七海を道具の様に扱いボロボロになるまで力を施させる。
気に入らないことがあれば叱責し殴りつけ、七海に罪をなすりつけることもあった。
理不尽な理由で罰を受け傷付く七海の姿に瑠璃奈はいつも陰で嘲笑っていた。
いますぐにでもここから逃げ出したい七海だが、妹の絵梨の命を盾にされている為彼女らに従うしかなかった。
刹那は七海を愛する余り、立冬まで待てないと何度も彼女の元に訪れる様になっていた。
この赤毛と翠玉の瞳と彼女が持つ癒しの異能は冬の巫女の何よりの証である事を教えてくれた。
18歳になった冬の巫女はその年の立冬に冬神の花嫁として迎え入れられるとも。
刹那は傷付いた彼女に寄り添い、七海も彼の優しさと暖かさと深い愛に身を預ける。
だが、刹那との逢瀬を瑠璃奈に見られてしまい全てバレてしまう。
自分こそが冬神の花嫁にふさわしい、瑠璃奈は七海を捕え、無理矢理赤毛を黒く染めさせ、翠玉の瞳には術がかけられた帯を巻かれ、刹那に見つからない様に座敷牢に閉じ込められてしまう。
立冬の日に刹那は七海を迎えに屋敷に現れるが出迎えたのは赤毛と翠玉の瞳の姿になった瑠璃奈だった。
瑠璃奈は、本当は自分が冬の巫女であり七海に姿と異能を奪われていたと告げるが冬神である刹那にそんな嘘は通用しなかった。
愛する人を貶され隠されたことに怒りを覚えた刹那は、瑠璃奈達のことなど構うことなく七海の居場所を探る。
ようやく座敷牢に囚われていた七海を見つけるも、彼女は髪もこんな風になってしまった、帯に術がかけられているからもう何も見えない、自分は貴方の足枷になってしまうからと刹那を避け彼の花嫁になる事を拒絶する。
刹那は優しく七海を抱きしめ、帯の術を解き翠玉の瞳を取り戻す。
そして、黒くなった七海の髪をそっと撫でて「姿がどうなろうと構わない。七海が俺のそばいてくれればそれでいい」と優しく諭す。
染められてしまった髪は元の赤色へと姿を取り戻す。
刹那の想いを知った七海は冬の巫女として彼の花嫁になる決意をするも、怒り狂った瑠璃奈が妨害しようと襲いかかる。
刹那は容赦なく返り討ちにし、瑠璃奈から若さを奪い醜い老婆へと姿を変えてしまう。
娘と一緒に七海を虐げ、彼女の妹の命を盾して逃げられない様にした罰として瑠璃奈の母親は極寒の地へと飛ばされる。痴呆の入った醜い老婆となった娘の介護に追われ誰にも頼れず希望が見えない日々を送り最期は一家心中を遂げる。
七海を蔑んでいた村は、四季神の加護を失い作物は育たない地へと変貌し最後は誰もいなくなった。
そして、ようやく幸せを手に入れた七海は屋敷から見える雪化粧をした椿が美しく咲く庭を背に刹那と愛し合うのだった。