あらすじ
騎士団をクビになり、婚約もパー。
パンを食って寝るだけの生活に憧れて、辺境の村に引きこもった俺に――神殿ができていた。
俺に必要なのは、静かな昼寝と、パンと、猫だけ。
……そのはずだった。
でも、俺には、《世界調律(ワールド・チューニング)》という、ちょっと変わった力があった。
空間の歪みを整えて、現実に起こった出来事を“なかったこと”にする力。
けれどそれを使うたび、ほんの少しだけ、魂が削れるように疲れて、
……誰かの記憶から、自分の存在が、少しずつ薄れていく。
「もう二度と使わない」──そう決めていたのに。
たった一度、魔物を消し去っただけで、村人たちは言い出した。
「神様が来た!」
「ルーク様、奇跡を……!」
ちょっと待て、俺は神でもなんでもねぇ。ただの無職だ。
それでも朝にはパンが届き、昼には猫が腹の上で寝て、夜には誰かが言う。
「守ってくれてありがとう」
これは、働きたくない元騎士が“神様”に祀り上げられていく、ちょっとズレた村の日常と、
守るつもりがなくても守ってしまう、優しい青年の物語。
パンと猫と、神様と。
今日も村は、勘違いとやさしさでできている。
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一部に過去の回想を含みつつも、現在の物語とつながった【本編連動型の読み切り風エピソード】となっております。
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