あらすじ
乾ききった交易都市サマルで、調香医として奔走する璃子。
彼女の蒸留炉から立つ青い香煙は、兵士の熱と市井の希望を癒やしてきた。
ある春の夜明け、帝国監察局から密命を帯びた審問官・雄貴が現れる。
目的は香料密輸と汚職の摘発——だが、市場に忍び寄る奇病〈香煙熱〉が二人を結び付ける。
利害を超えて協力を誓い、仲間たちとともに黒翼商会の陰謀と疫病の根源を追う旅へ。
調香炉の揺れる炎、砂漠を駆ける診療馬車、月光にきらめく指輪。
治療香が守る命の重さと、静かに芽生える恋心。
香りが運命を変えるとき、璃子は砂漠の風に、雄貴は蒼い夜空に、それぞれの未来を誓う——。
主要登場人物:
璃子(主人公)―人との交流を楽しむ思慮深い調香医。
雄貴(主人公)―自己を見つめる冷静な審問官。
祐斗―人の本音を引き出すロマンチスト。
亜衣―前向きだが時に緊張を走らせる助手。
裕太郎―弱さを受け入れ問題を深掘りする研究員。
真菜―静かに周囲を支える看護師。
司・ヴィヴィアン・ドミニク・カイリー・みずほ・ダンテ——交易、貴族社会、国際情勢で物語を彩る仲間たち。