あらすじ
この物語の主人公は、自分の名前すら覚えていない最弱の冒険者。彼は、呪いによって過去の記憶を失ってしまい、どんなに努力しても自分が何者であるか、どこから来たのかを思い出すことができません。しかし、そんな彼には特別な力がありました。それは、「100年先の未来を視ることができる」という能力です。この力により、彼は世界の大きな出来事や、未来の英雄たちの活躍を目の当たりにすることができます。彼の未来予知は百発百中であり、決して外れることはありません。
しかし、この力には大きな欠点がありました。未来をどれほど正確に視ることができても、自分自身の未来や現在についてはまったく知ることができないのです。自分の運命がどうなるのか、自分がどこに向かうべきなのか――それを知る術はありません。主人公は、常に他人の未来ばかりを見つめながら、自分の未来は手探りで進んでいくしかないのです。
そんな彼がある日、ギルドでひとりの少女と出会います。彼女は伝説の武具を探すため、最強の冒険者を求めていました。ギルド内では誰もが彼女に目を向け、実力のある冒険者が次々と名乗りを上げる中、主人公は思わず「自分が手伝う」と申し出てしまいます。最弱の冒険者である彼が、未来を変えるほどの大冒険に関わるとは、誰もが嘲笑しました。しかし、彼は100年後の未来で彼女が世界を救う重要な存在になることを知っていたのです。
少女は主人公の能力を信じ、彼を仲間に加えることを決意します。こうして、未来予知の力を持つ最弱冒険者と、未来の英雄となる少女の冒険が始まります。しかし、未来を視る力を持つ彼には、予測できない運命の波が待ち受けていました。
彼が見るのはあくまで100年先の未来。そこに自分の姿は決して映ることはありません。自分自身がその未来にどう関わるのか、自分がどうなってしまうのか、何も知らないまま、彼は少女とともに旅を続けます。忘却の呪いに囚われ、何もかもが手探りの彼は、果たして自らの運命に立ち向かうことができるのか。
物語は、彼が見据える100年先の壮大な未来と、自分の足元の運命を知ることができない現実との間で揺れ動きながら進んでいきます。100年先の未来に向かって、徐々に大きな出来事が動き出す中で、彼自身が辿るべき道はどこにあるのか――。
本作では、主人公が抱える「忘却」と「未来視」という二つの相反するテーマが物語の軸となります。彼が自分を見失ったまま、他人の未来を見守る中で、少しずつ自らの役割を見出していく成長の物語でもあります。最弱冒険者としての無力感と、100年先の未来に対する確かな確信。この二つの間で揺れ動く彼が、仲間との絆を通じてどのように変わっていくのかが、物語のみどころですかね!