あらすじ
○あらすじ
大島雛子は二十五歳のごくふつうの会社員だ。彼女はデザイン会社の制作進行として日々忙しく働いている。
雛子には拭いきれないトラウマがあった。三年前にバイク事故で死んだ恋人の存在だ。彼の唐突な喪失が雛子の心に大きな影を落としている。
月の輝く夜に、雛子の元に現れるのは三年前に死んだはずの恋人・透だ。部屋に来る度に雛子を抱きしめて官能の世界に誘う。雛子にはそれが妄想なのか現実なのかがわかっていない。雛子は未だに透を忘れられていないのだった。
ある日、雛子の会社の新スタッフとして山岳カメラマンの高瀬紘一が加わった。太陽のように明るく、優しく頼り甲斐のある紘一に、雛子は内心惹かれるが、それ以上踏み出すことはなかった。
雛子に一目惚れをした紘一は、なんとかキャンプに雛子を誘い出す。雛子のことを好きなスタイリスト祐司、紘一のことを好きな親友・桜子も加わり四人の友情が始まった。
一方で、雛子はひとりになれば、夜毎の透の来訪に溺れたままだ。
会社の新しい案件を雛子と桜子が任されたことをきっかけにして、紘一や祐司との距離が縮まっていく。いつしか、雛子も陽だまりのような紘一に惹かれていくのだった。
紘一の作品撮りへの参加や透の三回忌、いくつかのことが重なり、雛子の心に変化が生まれる。
紘一と初めて二人だけで出かけたキャンプで雛子は酔った勢いで心の内を紘一に話した。紘一もやわらかくその想いを受け止めた。その夜、雛子は自分の気持ちと向き合い、一歩踏み出す決意をした。二人の距離が近づいていく。
一瞬の幸せの束の間、紘一が危険な撮影に出かけることになった。過去のトラウマが雛子を再び襲う──。