あらすじ
65歳の野村隆介は、何気なく買った「大学ノート」に過去の記憶と新たな感情を呼び起こされる。妻に先立たれた彼は、自分の死後に子どもたちが困らないよう、保険や口座情報、パスワードなどを手書きで残す「終活ノート」としてノートを使い始める。ところが、裏表紙にふと書いた取引先の女性の名前が、思いがけず青春のようなときめきを生む。偶然の再会ややりとりの中で、彼女への想いが静かに育ち、ノートはただの備忘録から、日々の想いや気持ちを書く「始活ノート」へと変化していく。かつて経理部長としてデジタルを駆使していた彼が、今は紙とペンという原点に立ち返りながら、人生の豊かさや人を想う気持ちを再確認していく物語。大学ノートが導いたのは、人生の終わりではなく、新たな始まりだった。