あらすじ
王国を覆う奇病の影――そして、その病に倒れ、深い眠りについた王太子ラシェルの婚約者・アナスタシア。
美しく無垢だった彼女の肌には、やがて黒い瘤が浮かび、容姿までもが変わり始めていた。
彼女を守ると誓ったはずのラシェルの胸に、封じていた記憶が蘇る。
数ヶ月前、彼が裏切りの罪で婚約を破棄した貴族令嬢、セリア・フォン=レグレイス。
彼女は必死に無実を訴えていた。だが、ラシェルはその声を拒絶し、真実を確かめようともしなかった。
そして今、奇病の治療法を探る中、セリアの名が再び浮上する。
死の淵で人智を超えた地母神の加護を得たという噂と共に。
選んだ愛と、見捨てた真実。
王太子は再び、過去の罪と向き合う選択を迫られる。
選んだ愛、切り捨てた真実。
彼が信じたものは、本当に正しかったのか。
――真実を暴くことは、過去の罪と向き合うこと。 ――そしてそれは、現在の幸福すら崩れ去る選択かもしれない。
運命の分岐点で、王太子は再び試される。
“誰を信じ、誰を愛すのかを”。