あらすじ

『ぺら一枚翻すだけで、善と悪は容易く反転する』 “貫く妖術”、“塞ぐ妖術”、“響む妖術”など様々な妖術がある中で…… “寄り添う妖術”の使い手である少女、夕占夕子は妖祓いの旅をしていた。 彼女は妖に、そして人に寄り添う心優しい妖術師。 しかし戦闘能力皆無の最弱妖術師。 羽虫を叩き潰しても、手を開けば元気よく飛んで逃げて行くほどの非力さ。 そのため、謎の最強武士おじさんである“やまもと”と共に旅をしている。 刀を振れば右に出る者はいない――彼の師を除いては。 そんな最弱と最強、歳もかけ離れた異色のコンビの旅の目的…… それはこの国のどこかにいるという5体の“始まりの妖”をすべて祓うことだった。 しかし旅の道中、二人は様々な事件に巻き込まれる。 体中に風穴のあいたすすり泣くぬりかべ。 琵琶を奏でながら辻斬りを繰り返す謎の妖。 二人は慈愛で、時には力で祓い事件を解決していくのだが…… 突如現れる体に蓮模様を宿した人々。 彼らは蓮の教団『善蓮教』の信者だった。 信者たちは時に理性を失い本能のままに暴れ、他者の命を奪うこともいとわない。 あろうことか、教祖のためであれば自らの死を選ぶことも躊躇しない彼ら。 全ては教祖の目的のために命を捧げる…… 善蓮教は各地で急激に信者の数を増やしており、被害は拡大の一途を辿る。 いったい何のために命を捧げているのか、教祖の目的とは…… 夕子とやまもとが旅を続けるうちに明らかになる教祖の正体とその仄暗い過去。 それは大切な者を失ってしまった自責と後悔に満ちたものだった。 『善蓮教』という名に込められたたった一つのかけがえのない思い出。 その過去を目の当たりにした夕子は激しく心を揺さぶられる。 何が善で何が悪なのか。 その境は血と共に滲んでいく。 彼女は人々を守るという妖術師の信条を貫き、善と悪の葛藤を乗り越えられるのか。 そして――教祖の目論見を阻止することはできるのか。 これは善悪の境界をぼやけさせる物語。

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カクヨム
カクヨム2025/08/02
  • 現在の作品夕占夕子の祓いごと