あらすじ
藍原雫。
才色兼備の生徒会長。
私にはなぜ藍原さんが生徒会長になったのかは知らない。内申点目当てか、学校を変えたいという高尚な思いのためか。
けれど量産系の没個性な私と違って、毅然とした姿で一人壇上に立つ彼女はとても美しかった。
……いや、私が彼女に惹かれる理由は本当はそういうのではないのかもしれない。
黒いタイツに覆われた長くしなやかな足、長細い指。染められた私のとは違う黒く長い髪。
そして何より彼女の容姿が見惚れるほどに綺麗だった。
そんなあまり人に言えないほの暗い理由で彼女に好意を抱いたことを、多い隠そうとしていただけなのだろう。
でも別に容姿が好きだからって藍原さんに近づきたいとかそういうんじゃなかった。
私と藍原さんじゃ所属してるグループも違うし、話しかける場面なんてないし、何よりほかのグループと絡むと色々面倒だし。
だから時々気になった時に眺めてみる、ただそれだけだった。
けれどその日たまたま藍原さんに話しかけられてて、ラムネを飲んで私の知らない藍原さんを知って。
今までの完璧という印象とはまた違う、抜けたような姿に少しずつ惹かれていって。
ゆっくりと関係性が変化していくことにうれしさのようなものを感じていた。