あらすじ
かつて現代のどん底を這いつくばっていた男・大湯。借金、ギャンブル、無職、自己愛――すべてを兼ね備えたクズが、ある日ぽっくり死んだ。
だが彼が目覚めた先は、幻想と泥に包まれた農耕国家**「モルドーニャ王国」**。しかも、ジャガイモとして。
モルドーニャでは「神聖芋農暦」により、ジャガイモは貴族の食卓から宗教儀式にまで用いられる国家的作物。
生まれ変わった大湯は、地中で「俺、神に近い存在じゃね?」と勘違いし始める。
しかし現実は過酷。芋は収穫されれば即焼かれ、茹でられ、潰される運命。
喋れず、動けず、ただ地中で腐ることすらできない孤独な時間の中で、大湯はひとつのスキルに目覚める。
その名も――「菌糸思考転送(ファンガル・トランスミッション)」。
地中に自身の思想をばらまき、他の芋たちの思考を“汚染”していくスキルである。
やがて芽生える信仰、「ポテト教」。
「芽を出すな、食われるぞ」――その言葉は、やがて農村にまで届き、モルドーニャ王国を揺るがす事態に。
大湯は喰われずに世界を支配できるのか?
それとも、美味な芋として神の食卓に捧げられるのか?
土の中から始まる、最低で最高のポテト黙示録。