あらすじ
目を覚ますと薄暗い森の中だった。
「あのオシャレ前髪女、よりによってこんな今にも襲われそうな場所に放置しやがって」
獣の気配が四方からする。
俺は唯一、女神のお情けで渡された“ヒノキノボウ”を手にして身構えると背後から飛びかかった影に振り下ろすのだった。
「はぁはぁ……。あぁ……腹減った……。カレー食いてぇよぉー……」
数刻後、絶命した獣の横で俺は膝を着いて天を仰ぐ。
「あと一晩、寝かせたら完成だったんだ。なのに、あのオシャレ前髪が!身勝手なわがままで俺の楽しみを奪いやがって!くっそおおぉーー!ちょっとお高いお肉も使った特別品だったんだぞ!ふざけんなよ!」
ー ぐぅ~~っ!
激しい運動の後に叫んだせいか、はたまた俺の気持ちを代弁するように腹の虫も抗議の声をあげた。
こうなったら、もう一度だ。
この異世界で『食べ損なったあのカレー』を再現……いや!それ以上の品を作って食べてやる!
さらにはそのカレーをこの世界に広めて、あの高慢ちきな女神の作った世界をカレー色に染めてやる!
「ふ、ふふ……!あのカレーアンチの女神が泣いて悦ぶ姿が目に浮かぶぜ」
こうして俺のカレーによる華麗なる復讐劇が幕をあげるのだった。