あらすじ

ラティエンの街に琥珀の瞳の鍛冶師がいる。
珍しくも女の鍛冶師だというその人は、街の冒険者ギルドお抱えであり、腕は確かだという噂だ。
しかし、女の鍛冶師。通常、鍛冶師とは男がなるものであり、女はこの職にはつけない。昨今、性差別との声が上がってはいるが、宗教的な面もあるため暗黙のルールとかしている。
それゆえ、彼女に依頼をする冒険者はひと握りだ。
しかし、琥珀の瞳の女は鍛冶師を誇りとし、眉をひそめられようが貶されようが嗤われようがその一切を黙殺した。



「文句があるなら私に依頼をしなければいい。あんたらから依頼がなくたって、ギルドから頼まれてる備品の作成はあるし、金に困りはしないンだ。
神様がなんだよ。女がダメって理由に、いもしない神をだすな。
私を嘲笑いに来る暇があるんだったら冒険者ランクでも上げろよ。10とか20とか、鼻で笑っちまうよ」

べーッだと普段よりだいぶ思考レベルを下げた女が、女を指さして笑っていた冒険者たちを煽る。
その横でギルドの受付嬢が毒を含んだ笑みを浮かべ、細く白い指先でいくつかのクエストを指す。そのどれもが冒険者たちのランクにあっていれど、誰も手をつけたがらない、いわゆる雑用系のクエストであった。

「冒険者を軽んじるつもりないし、クエストばっかやれって言ってるわけじゃない。でも、暇潰しに他人を馬鹿にするのは性格悪いとしか言いようがないな」

琥珀の女はカウンターについていた肘を崩し、これ見よがしにため息をついて己の工房へと下がった。


女の名前はソラ。家名はなく、出生地も明かさず、しかしその技術は誰より優れた自称鍛冶師である。

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アルファポリス
アルファポリス2025/06/19
  • 現在の作品それでいいのか、稀代の鍛冶師