あらすじ
時は戦国――。主家を守り壮絶な最期を遂げた孤高の侍、黒鉄 剣兵衛(くろがね けんべえ)。しかし彼の魂は、見知らぬ異世界「アスカロン」にて、若き日の肉体を得て蘇る。そこは、剣と魔法が覇を競い、多様な種族がせめぎ合う、戦乱の気配漂う世界だった。
刀もなく、言葉も通じぬ異郷の地で、剣兵衛は己が信じる「武士道」と、前世で極めた無双の剣技「黒鉄流」だけを頼りに歩み始める。偶然助けた没落貴族の令嬢エルミナとの出会いをきっかけに、剣兵衛は王国を揺るがす巨大な陰謀、そして世界の裏で暗躍する謎の仮面の大導師マグヌスの存在を知る。
獣人族の豪快な傭兵ジンといった仲間を得て、剣兵衛は異世界の強者たち――騎士、魔法使い、異形の魔物――と死闘を繰り広げる。魔法という未知の力に苦戦し、自身の価値観と異世界(アスカロン)の常識とのギャップに葛藤しながらも、彼は決して己の信念を曲げない。
侍としての「義」を貫き、失われた剣技で魔法をも斬り裂かんとする剣兵衛。彼は陰謀を阻止し、守るべき者たちを守り抜くことができるのか。そして、この異世界で「真の強さ」を見出すことができるのか――。
これは、戦国から転生した侍が、剣と魔法の世界で己の道を切り拓く、魂の軌跡を描く物語である。
【登場人物紹介】
黒鉄 剣兵衛 (くろがね けんべえ) / Kenbei Kurogane
本作の主人公。 戦国時代末期に生きた孤高の侍。享年35歳。主家を守り討ち死にした後、戦神(?)に認められ、異世界アスカロンに17歳の肉体で転生する。
前世で数多の実戦を経て編み出した独自の剣術**「黒鉄流」**の使い手。その技は異世界においても規格外の強さを誇るが、魔法に対しては未知数。
性格は寡黙、実直、ストイック。義理堅く、己の信じる「武士道」を何よりも重んじる。一方で、世間知らずで不器用な面もあり、異世界の文化や常識に戸惑うことも多い。
圧倒的な剣技を持つが、慢心せず常に剣の道を追求する求道者。仲間との出会いを通じて、凝り固まった価値観が少しずつ変化していく。
エルミナ・フォン・ルーメン (Elmina von Lumen)
本作のヒロイン。 魔法王国ルーメンの元貴族令嬢。18歳。銀髪と青い瞳を持つ聡明な美少女。家の没落を引き起こした陰謀の真相を追い、追われる身となる。
光魔法と回復魔法を得意とする魔法使い。魔法理論に詳しく、剣兵衛に異世界の知識を教える案内役となる。
気丈でプライドが高いが、根は優しく、困っている人を見過ごせない正義感も持つ。剣兵衛の異質さに戸惑いつつも、その強さと義侠心に惹かれていく。
ジン・バトゥ (Jin Batu)
シン帝国出身の獣人族(狼)の傭兵。25歳(人間換算)。屈強な体格と鋭い感覚を持つ。大剣を振るい、荒々しいが実戦的な戦い方をする。
性格は豪快で快活、現実主義者で金にがめつい面もあるが、仲間思い。剣兵衛とは対照的な価値観を持つが、その実力を認め、行動を共にする悪友のような存在となる。
異世界の裏社会や傭兵稼業に詳しく、剣兵衛を助けることも多い。過去に何かを抱えている様子を見せる。
仮面の大導師 マグヌス (Magnus, the Masked Archmage)
本作の主な敵役。 年齢・性別不詳。常に古代文明風の仮面で顔を隠し、ローブを纏っている謎の魔法使い。
現代では失われた強力な古代魔法を操り、世界の裏で暗躍する。その目的は不明だが、壮大な計画を進めている様子。
冷酷非情で、他者をもてあそぶことを楽しむような言動を見せる。剣兵衛の持つ「古き力」(気)に異常な興味を示す。物語全体の謎と脅威を象徴する存在。