あらすじ
モブストーリーは突然に――
ストーリーからは逃げられない――
この世の誰か(モブ)がそんなことを言ったとか言わなかったとか……
35歳になる皇帝(すめらぎ みかど)はシステムエンジニアとして日々奮闘するおっさんである。
忙しい日々の中、後に語り継がれる出来事が起こる。
そう。奇跡の三連休である。
祖父の影響を受けてゲームが趣味となった帝はその3日間をゲームに費やす事に決める。
偶然手に取ったのはスーパーファミコンのソフト。
『セレンティア・サ・ガ』
RPGにタクティクス要素を入れた名作ゲーだ。
大陸中、そして世界中を巻き込んだ陰謀渦巻く大戦を、主人公の少年が歴史の裏で暗躍し解決に導くと言うストーリー。
人間関係が複雑で各勢力の思惑が錯綜する構造になっており、対立する古代神と漆黒神、そして古代竜と漆黒竜などが世界に波乱をもたらし人々は世の不条理を突きつけられる。
マルチエンディング方式でやり込めるサブ要素も多数用意されているため裏設定もかなり多い。
徹底解説ガイドにはデータ上は存在するがゲームに出てこないキャラも多数存在すると明記されており、イベントキャラやゲストキャラなどを含めると登場キャラの多さは折り紙つきだ。
奇しくも祖父が大好きなゲームであり共にプレイした記憶は鮮明に残ったまま。
だが早速、ゲームを始めようとスイッチを入れた瞬間、彼の意識は暗転する。
付喪神を名乗る者からの『世界には貴方の力が必要なのです』と言う言葉を聞いて。
そして見た不吉な夢――
レクス・ガルヴィッシュと言う少年が血塗られた剣を手に佇んでおり、その周囲には血を流して倒れ伏す人々の群れ。
そして動かない少女を抱きしめながら目を血走らせて恨みのこもった怒声を浴びせている少年。
目を覚ました帝は自分が知らない部屋にいる事に気付き混乱するもすぐに記憶を思い出す。
そして知ることになる。
自分が夢に出てきたレクス・ガルヴィッシュであることを。
だがゲーム本編にそんな人物が出てきた記憶などない。
徹底解説ガイドやファンブックにもそんなキャラの記載はなかった。
そう。
帝は所謂、ゲーム世界の『モブ』に転生してしまったのだ。
レクスと言うキャラはゲーム世界の忘れ去られた裏データの1つ。
ならば故郷で家族や幼馴染を護りながら気楽に暮らそう。
そう考えていた頃がありました。
何故かホイホイと絡んでくるキャラクターとの邂逅やイベントに巻き込まれる度に帝の心境は移ろいゆく。
人生とは奇なるもの。
好むと好まざるとにかかわらずゲーム世界とそこで必死に生き抜こうとする人々と接していく事でレクスとして生きる帝の心は変化していく。
最初に誓った『殺らなければ殺られる』のならば『殺られる前に殺る』なのか?
レクスと言う少年に転生してしまった帝が取るべき道は?
付喪神なる存在が残した言葉の意味とは?
静かに、しかし確実にストーリーは動いていく。
ゲームの結末へと向かって。
※新連載です。よろしくお願い致します。
なろうでも先行更新しております。