あらすじ
商店街でくじ引きで、特賞として当たったのは——
まさかの「人魚」だった。
ぬいぐるみのように小さくて、言葉も話せない。
ただ「キュ」と鳴くだけの、人魚。
名前は「ラブー」。
癒しの歌も歌えない、ちょっと不思議な“落ちこぼれ”。
最初は戸惑いばかりだったけど、
ふよふよと泳ぐ姿に、少しずつ心がほどけていく——。
孤高で美しい存在だと言われる“人魚”の中で、
ただ人間に興味を持って、ただ「カジュ」とだけ鳴けるラブー。
これは、人魚を飼うことになった疲れた大人の和樹と、
不器用に寄り添ってくる小さな命との、少し変わった同居のはじまり。
「可愛いな」——その言葉が、すべての始まりだった。