あらすじ
かつて、風と対話するために生まれついて風の声を聴き取る力を持つ民がいた。
空を鳥のように舞う、過酷な土地で生きるために必要な感覚は、血の記憶として引継がれていった。
彼らは風を読み、風と舞い、風と共に生きる。
空を翔けるための、ある特別な道具を受け継ぎながら。
風の流れを掴み取り、大地を見下ろし、空を翔け抜ける。
誰よりも空に近く、誰よりも自由を知る民――彼らは〝ワタリ″の民と呼ばれた。
そして――少年は、最後のワタリの民となる――。
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――人生は嵐だ、若き友よ。陽の光を浴びても、次の瞬間には岩の上で砕け散るだろう。だが、それはチャンスだ。その時どう立ち上がるかで未来が開けるのだ――アレクサンドル・デュマ(1802–1870)