あらすじ
勇者と魔王の戦いが終わり、世界は平穏を取り戻して20年。かつて魔王城の影に怯えていた辺境の村「フィリア」は、今や草花が揺れるのどかな土地となっていた。その村に住む青年・カナトは、ごく普通の村人。剣とも魔法とも無縁で、畑仕事と薪割りが日課の日々を送っている。
だが、魔王城跡を目指す冒険者達は今も後を絶たず、村は小さな拠点として賑わいを見せていた。宿屋で耳にするのは、魔王城に眠る秘宝の噂、時折現れる魔物の話、そして語られぬ“戦いの真実”。
カナトは冒険者達の語る世界に憧れながら聞きつつも、自分には縁のないことと思っていたし不満もなかった。
しかし、ふとした偶然から村の外れで魔族の少女エフィナと出会い、そこから少しずつカナトの日常が変わっていく。
これは歴史にも残らない、誰にも語られない、でも確かにいた”勇者達”の物語である。