あらすじ

【毎週日曜更新(書けたら水曜日も)】
関西人サラリーマン×異世界の術師

*

"ニライ・カナイ"――幾千幾万の世界、全ての人間の魂が集う場所。
この世界では、死んだ人間の魂を使って新たな人間を生成する"反魂組成術"が一般化している。
人々はその術を行使する者を"屍霊術師"と呼んでいた。

ロラン・ミストラルも、その屍霊術師の1人。
人を嫌い、森の奥深くにある庵で人間を作り続けている。
拾った魂を泥の人形に宿し、口づけを介して魔力を注ぐ。これを10日間繰り返すことで反魂組成は完了する。
今日もまた、1人…。

呼び寄せた男の名前は、栢木 倫理(カシワギ・トモミチ)。
"大阪弁"という奇怪な言葉で喋る、妙な男だ。
妙なところは言葉遣いだけではなかった。
死者特有の無気力さ陰鬱さがなく、明朗快活だ。
他者に嫌われ、自身も孤独を望むロラン相手にも馴れ馴れしく話しかけてくる。
最初こそ苛つきを覚えていたロランだったが、やがて彼と過ごす日々を楽しいと感じはじめ、また彼のために何かをしたいと思うようになる。
日を追うごとに、その気持ちは増していき…。

しかし、トモミチには重大な秘密があった。
彼の魂はニライ・カナイの奥底にある黒の大河から引き上げてきたもの。
黒の大河は、命を投げ出した者の魂―自死者の魂が集結する河。

カシワギ・トモミチは自殺をした。
しかし、彼の頭からその記憶は抜け落ちている。
命が形成されるまで10日―自死者は決してその事実を思い出してはならない。
思い出した瞬間、彼らは自我を保つことができなくなり、泥になって崩れ去ってしまうのだ。
記憶が戻らぬよう細心の注意を払いながらトモミチに接するロランだったが、ふとしたきっかけで彼の記憶は蘇っていき…。

誰にも省みられず生きてきた孤独な青年と、満ち足りた人生を歩みながら自ら命を断ってしまった青年の、泡沫の恋の話。


*作中方言について
「そんな言い回しはない」などの指摘はご遠慮くださると助かります。
関西、大阪、多種多様な言い回しがございます……_(:3 」∠)_

*明るい場面もありますが、重く暗いです。

*Nolaノベル様でも連載中です。

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アルファポリス
アルファポリス2024/10/31
  • 現在の作品愛を知らない空っぽ屍霊術師は、泥の人形に泡沫の恋をする