あらすじ


目立ちたくない。誰の目にもとまらない透明人間というよりは、道端に転がる石のような存在になりたいと願った。
我儘を言うならばこの世界に存在はしながらも、世間から隔てられた場所で星を見上げて生きていたい。

演劇部の裏方スタッフとして静かに活動する真壁益実(まかべ ますみ)は、幼い頃からカメラを愛していた。日常を切り取り、明るい空気さえも閉じ込めるカメラの存在は友人と言っても過言ではなかった。

しかし、あの夜を境に彼の道は音を立てて崩れ落ちる。

世間の目、家庭の崩壊、そして自身の「視ること」への罪悪感がここにいるべきではないと日陰の人生を歩み始めていた。

高校に入学した今はただ照明を組み、音響を操り、舞台の裏で光を支える日常にやっと居心地の良さを感じていた。

そんな彼の目に映るのは演劇部のエース・水澄流生(みすみ りゅうせい)。
華やかな才能、惜しまない努力、そして誰よりも舞台を愛する瞳。多くの人々を魅了する彼に、真壁もまた惹かれていた。

この気持ちが表に出ることは決して無い。自分は輝く星を見上げるだけの、道端の石であるのだから——

しかし、蹴られた小石は坂を自分では止まれない。

触れられたくない過去を、暴かれたくない感情を、星あかりによって照らされることになる。

交わらないはずだった道の上で、少年たちはそっと重なり合っていく。


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アルファポリス
アルファポリス2025/08/02
  • 現在の作品道端石は星あかりに絆される