あらすじ
些細なもので平穏は終を告げる
平凡な高校生の想樹は同じ施設で育った血の繋がりのない家族、兄の竜胆と姉の茉莉花と小さな幸福を積み重ねて平穏な日常に身をまかせていた。
ある日、終電で最寄り駅に着く茉莉花を迎えに篠突く雨の中、家を出た想樹は不規則に明滅する街灯が生んだ暗がりで、転がっていた何かに足を引っかけて転んでしまい、泥を掃いながら立ち上がると照らされた足元に何かの血が浸食し、魅かれるように振り返ってしまう。
足を引っかけたものが血に染まる姉だと知らずに。
風前の灯火となった姉を救うために雨に濡れながらも、病院を目指そうとするも自身も姉を襲った凶刃の餌食となってしまい茉莉花を連れ去られてしまう。
病院で目が覚めた想樹は起きた病室で極道に身を置く葵と出会い、病院を抜け出した先で茉莉花が生きていることを知るが、茉莉花を捜索にでた兄の竜胆の安否さえ不明となってしまう。
家族2人の所在は似たようで非なる世界、境界を堕ちていった先にいることを知り零れたものを拾い上げる為、臆病な少年は境界を越え、運命に抗っていく。
多少の残酷描写は含まれますが些細なものです。