あらすじ
「イリス・ヴィエーラ・ディルクルム、お前を冥府刑に処す」
自身の身分を盾に豪遊し、国を中から食い荒らす悪女と名高い、ディルクルム王国の第一王女イリス。傾国王女と呼ばれる彼女は、兄である王太子の暗殺を企てたとして、死後も魂を縛られて罪を償う「冥府刑」を言い渡される。粛々と処刑は進む……はずだった。
「冥府刑も冥婚も大して変わりませんよ。魂を縛って罪を償わせるか、結婚するか、その程度の違いでしかない」
刑の執行人である死神辺境伯――ザグレウスは、なぜかイリスと「冥婚」を交わし、死んだ彼女を妻にしてしまったのだ。
処刑されるはずが、なぜか夫ができたことにイリスは大混乱。しかしザグレウスはどうやら、イリスが抱える「事情」を知っているようで……?
「お前、どうして私なんかを妻にしようとしたの。私以上に面倒な立場の女はいないわよ」
「あんた、実は傾国王女じゃないんだろう?」
秘密を抱えて死んだ王女は、夫となった男の治める土地、東方国境レ・ヴァリテへ向かうのだった。