あらすじ
東京と神奈川の境界、町田市――そこは、誰もが「名前のない感情」と「語られなかった記憶」を胸に日常を過ごす街。僕は、他人の恋の記憶を覗き見られる特殊な能力を持つ少年、緒方音央。ある日、転校生として現れた白川しずくは、なぜか誰の記憶にも「存在したことがない」少女だった。
その出会いを境に、僕の日常は奇妙な恋の謎に満ちていく。
「嘘の恋を語る演劇部の女王」
「恋愛を分析し過ぎて壊れた恋愛研究部の天才」
「“好き”が呪いに変わる不登校の幼なじみ」
「恋文を盗んで生きる図書委員」
――個性豊かな少女たちが抱える“誰かの記憶の中の恋”を解き明かす中で、僕はしずくの真実へと迫っていく。だが、探れば探るほど浮かび上がるのは、「彼女が、存在してはいけない“架空の恋”である」という可能性。これは、彼女を巡る恋の記憶の物語か、それとも世界すら巻き込む、僕と彼女だけのセカイ系の恋か?